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毎年3月8日は国際女性デー(International Women's Day)。1908年、米国のニューヨークで、参政権のない女性労働者が労働条件の改善を要求してデモを起こした。これを受けドイツのクララ・ツェトキン氏が、1910年にデンマークのコペンハーゲンで行なわれた国際会議で「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念の日とするよう提唱したことがはじまりとされる。公式な祝日として制定する国も多い。
コレット・ダウリング(Colette Dowling:1938- )氏は、1981年に出版した著書「シンデレラ・コンプレックス」の中で、「他人に面倒を見てもらいたい」という女性に潜む依存心を「シンデレラ・コンプレックス」と表現。女性は常に心の片隅で、不幸な境遇のシンデレラを救って結婚し、永久に幸せにした素敵なプリンスが、自分の目の前に現れるのを待っているという潜在的願望によって、女性が「精神と創造性」を十分に発揮できずにいる状態を指摘した。現在の女性たちは、素敵なプリンスの出現を待つより、自分の力で人生を切り開こうとする独立心、エネルギー、自分の能力への信頼を着実に築いてきている。
ドラマ「SUITS」のヒットで一躍有名女優の仲間入りをはたしたメーガン妃は、その後、社会活動家へとキャリアをシフトさせていく。2014年、国際慈善団体のカウンセラーに就任し、2015年には女性の地位向上を目指す国連機関「UN WOMEN」の親善大使となった。2016年には国際NGO「ワールド・ビジョン」の世界大使に選ばれ、活動の一環として、女性議員の比率が64%といわれるルワンダを訪問し、女性の社会進出を取材すると同時に、アフリカなどへの支援活動をすすめた。
高等教育における女子学生数は、1980年に初めて男子学生数を上まわったが、専攻学科においては伝統的に文化系に偏っていた。男女の賃金差を縮小するためには、伝統的に男子に占められていた専攻分野の男女差をなくすことが必要とされている。日本における2020年の医師国家試験合格者の男女比は、女性が33.2%で、前年比で0.8%減。男女別の合格率は、女性90.8%、男性88.1%だった。
1837年、米国のオリバン・カレッジは、はじめて女性の入学を認め、正規の大学教育の門戸を女性にも開き、19世紀末までには、ほとんどの大学が女子学生を受け入れた。雅子皇后やヘレン・ケラー氏などが学問を修めたことで知られるハーバード大学(ラドクリフ・カレッジ)は、ハーバード大学が男子校だった時代に、女性にも同様の環境の教育を提供することを目的に、1879年に女子大学として設立された。1999年以降、完全に合併してハーバード大学となる。
英国首相を務めたサッチャー氏は、オックスフォード大学で化学を修学し、コロイド化学が専門。同じく英国のメイ首相は、オックスフォード大学で地理学を修学。ドイツのメルケル首相は物理学の博士号を持ち、ドイツのペトリー氏の専門は化学。ローマ市長のラッジ氏、フランスの政治家ル・ペン氏の専門は法学で、ともに弁護士。
女性が持つ「協調性」、「柔らかさ」、「思いやり」は、以前はビジネスの世界ではマイナス要素とされていたが、ハーバード・ビジネス・レビューの調査によれば、「決定に当たって人の意見に耳を傾けること」、「周囲の人が満足しているか否か配慮する」、「交渉すること」、「調整すること」などの女性的価値が、いまではビジネス面でプラスの評価を持つことが当たり前となった。
かつてのパイオニアの女性たちは、男性の経営者と同じような資質を身につけ、行動をとらなければならないとされ、女性的であることを捨て、男性的価値、役割に合流することによって新しい道を開いた。しかし、いまでは女性的価値と男性的価値をミックスし、男性の職場に女性的価値をという新風を吹き込みながら、企業に新しい価値や尺度を導入している。
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