SPECIAL FEATURE
天気の変化は農作物の収穫量を左右し、船乗りにとっては生死にかかわるなど、生活に大きな影響を与えることから、太古の時代から気象予測技術が開発されてきた。いまではレーダーの発明や気象衛星の登場で、点の観測(虫観)から面の観測(鳥観)に変わり、観測技術は飛躍的に向上。またスーパーコンピュータの誕生で、将来の気圧配置を力学の計算式から導き出している。
理科「気象とその変化」の学習指導要領によれば、「身近な気象の観察や実験を通して、天気の変化との関係に着目しながら観察や実験などの技能を身に付け、観察記録や実験結果を分析し、天気の変化や日本の気象についての規則性や関係性を見いだし、思考力、判断力、表現力等を育成することがねらい」とされ、「科学的な根拠に基づいて表現する力などを育成することも大切」という。
Category : 科学
Date : 2021.04.14
気象庁
Ring Current Investigations: The Quest for Space Weather Prediction(Vania K. Jordanova, Raluca Ilie, Margaret W. Chen編集/Elsevier刊)
天気予知ことわざ辞典(大後美保編/東京堂出版刊)
気象なんでも百科(髙橋浩一郎著/岩波書店刊)
「雲をつかむような話」というたとえがあるように、身近な気象の変化は複雑で、目に見えない部分が多い。しかし、とらえどころがない雲を、観測と実験を繰り返し、実際につかんだ人たちがいた。
毎日観測した結果を記録しておくことが、天気を知る近道。気象観測には、雲の形などを目で観測するものと、目に見えない気圧(atmospheric pressure)や温度(temperature)などを「測器」を使って観測するものがある。気圧を測定する「測器」を気圧計(barometer)と呼び、気圧は気象観測の重要な指標であることから、「食欲は健康のバロメーター」というような言いまわしも定着している。
天気や気温による顧客動向に合致した、小売店における衣料品、飲料や食品の品ぞろえ(ウェザーマーチャンダイジング)は、いまや当たり前。農作物の収穫量や冷暖房の最適化は、有効積算温度の「デグリーデー(Degree Day)」によって決まる。また最新の論文によると、気温と湿度の関係が、コロナウイルスの生存時間を大きく左右することがわかってきた。
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