ワクチン・ビジョン

ルイ・パスツール（1822-1895）、フランスの化学者および微生物学者。ルイ・パスツールは狂犬病ウイルスを発見し、狂犬病ワクチンを開発。この手法は、他の多くのワクチン製造の基礎を築いた。

北里 柴三郎（きたざと しばさぶろう：1853-1931）、日本の医学博士、細菌学者、教育者、実業家。ペスト菌を発見し、また破傷風の治療法を開発するなど感染症医学の発展に貢献し「日本の細菌学の父」として知られる。東京大学医科学研究所、北里研究所、慶應義塾大学医学部、日本医師会の創立者、テルモ株式会社の設立者。

ツベルクリン（tuberculin）反応図。結核菌感染の診断に用いられる抗原。1890年、ドイツの医師ロベルト・コッホによって発表された。

アルバート・カルメット（Albert Calmette：1863-1933）、フランスの細菌学者、医師。20世紀初頭、フランスのパスツール研究所の研究者だったアルバート・カルメット（Albert Calmette）は、カミーユ・ゲラン（Camille Guerin）と、ヒトに対し病原性を有しないウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)の強毒株の一つであるNocard株を13年間(231代)継代培養してBCGの元になる菌株を作製した。

カミーユ・ゲラン（Camille Guerin：1872-1961）、フランスの細菌学者、免疫学者、獣医。20世紀初頭、フランスのパスツール研究所の研究者だったカミーユ・ゲランは、アルベール・カルメット（Albert Calmette）と、ヒトに対し病原性を有しないウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)の強毒株の一つであるNocard株を13年間(231代)継代培養してBCGの元になる菌株を作製した。

ロバート・コッホ（Robert Koch：1843-1910）、ドイツの細菌学者および医師。ルイ・パスツールとともに、「近代細菌学の開祖」とされる。 炭疽菌、結核菌、コレラ菌の発見者。シャーレ（Schale）は、コッホの研究室で発明され、現在でも使い続けられている。

エドワード・ジェンナー（1749-1823）、英国の医師、科学者、天然痘ワクチンのパイオニア。ジェンナーが、8歳の少年に牛痘の膿を植え付け、数か月後に天然痘の膿を接種。これが天然痘ワクチンの創始として知られる。ジェンナーが人類を救うために、まず「わが子」に牛痘接種を行ったとされたが、その後の研究で、8歳の少年の名前はJames Phippsという素性不明の子供だったとされている。

アルバート・サビン（Albert Sabin：1906-1993）は、米国（ポーランド生まれ）の医学者。経口ポリオワクチンの開発で知られる。ポリオワクチンの生ウイルス（バイアル）を持っている。

フランスで、ワクチンを提供しているインチキ医師を描いた似顔絵。牛の代わりに七面鳥を使用して天然痘に対して予防接種を行う。1800年代初頭、医学的に疑わしい事例を描いた「The Quack Doctor」は、風刺である一方で、当時の薬局の内部や当時使用されていた医療機器も描いている。

1955年、パリのモデルに天然痘ワクチンを接種している様子。

ウイルス研究の世界的専門家であるピエール・レピーヌ教授（1901-1989）、フランスの医師。1957年、ポリミエリティスに対するワクチンを発見し開発。1970年頃、ポリオワクチンを製造。1940年から1971年まで、パリのパスツール研究所ウイルス部門の責任者を務めた。

フローレンス・セイバート（Florence Seibert：1897-1991）、米国の生化学者。結核の検査で使用されるツベルクリンで、信頼性の高い結核検査の開発と使用を可能にしたことで、最もよく知られている。彼女はさまざまな米国の大学で教鞭をとり、1959年にペンシルベニア大学の名誉教授になった。

アイザックニュートン（1642-1726）、英国の数学者、物理学者、神学者、作家。微分積分に関する彼の1711年の作品のタイトルページ。

裏庭でリンゴが木から落ちるのを目撃したことが、万有引力の着想に没頭するきっかけとなった有名な話も、パンデミックによるロックダウン自宅待機期間中だったとされる。

アイザック・ニュートン（1642-1726）は、英国の物理学者、数学者（当時の呼称は自然哲学者）。史上最も影響力のある科学者の1人として広く知られている。1687年、最初に出版された著書「自然哲学の数学的原理（Philosophia Natural is Principia Mathematica）」は、古典力学の基礎を築きました。ニュートンは光学にも多大な貢献をし、微分積分学では、ドイツのゴットフリート・ライプニッツ（Gottfried Leibniz）とともに、イノベーターの片翼。

アイザック・ニュートン卿（1642-1726）による最速降下曲線問題の回答。1696年にヨハン・ベルヌーイ（1667-1748）によって提起された問題に対するニュートンの回答。

英国ケンブリッジ大のニュートンの窓の前にある象徴的な「ニュートンのアップルツリー」。

アイザック・ニュートンによる「Opticks（光学の論文）」からのページ。ブック1、第2部、第3表、1704年版。スペインのカタルーニャ国立図書館蔵。

光の本質を発見するニュートン。アイザック・テイラーによる伝記のイラスト（Jハリス、1824年）。

1890年に出版されたロンドンの大疫病（1664-1666）を描いた絵画。ロンドンを襲ったペストの発生は、当時のロンドン人口の約20％に相当する約10万人の命が失われた。1665年の8月と9月の暑い時期が最悪。当時、煙をたくことが、ペスト予防に有効と考えられていた。

17世紀半ばのオルドゲート教会近くの「ペストピット（ペストで亡くなった人たちの中世の集団墓地）」。近年、英国やフランスのペストピットの遺体調査から、1347年11月ごろにマルセイユ港から最初の亜種が欧州に入り、1349年の春に英国に到達し、約3年で国中に蔓延したという。現代のペスト菌の分離株の祖先と考えられ、当時のペスト菌のグレードは絶滅したと考えられている。

コロナウイルス・パンデミック下で閉鎖されたロンドン中心部、ピカデリーサーカス。地下鉄ピカデリー駅周辺からコベントリーストリートのレスタースクエア方向。

北極圏の永久凍土（permafrost）層。近年、広範にわたり溶解していることが各所で確認され、未知のウイルスや温暖化ガスの放出が危惧される。原因は地球温暖化に起因する可能性が高いという見方が支配的。

ロシアのシベリア永久凍土層から取り出された、ウイルスの一種であるピソウイルス（Pithovirus）に感染したアメーバを含んだサンプル。このウイルスは既知では最大のもので、3万年前の氷床内から生存可能な標本が2014年に発見された。

SARS-CoV-2コロナウイルスの超微細構造図

米メリーランド州にあるワクチンメーカーのノヴァヴァックス本社。2021年1月時点、日本では武田薬品工業が、同社からシーズのライセンス供与を受け、日本で製造したコロナウイルス・ワクチン開発が進んでいる。

透過型電子顕微鏡で撮影したHIVウイルス画像。ウイルス自体の大きさは約110～125nm（ナノメーター）、咳やくしゃみなど水分を含んだウイルスの大きさは約2,000nm。PM2.5の大きさは2,500nm、黄砂は4,000nm、世界最大のピソウイルス自体の大きさは、長径が約1,500nm。

Covid-19 RNAワクチンのイラスト。ワクチンは、ポリエチレングリコールコート（紫）に囲まれた脂質ナノ粒子球（赤）に包まれたmRNA（伝令リボ核酸）の鎖で構成されている。

WHO（世界保健機関）によると、臨床試験（治験）中のワクチン候補は2021年1月5日時点で63種類。うち、最終の第3段階に至っているのは15種類。第2段階と合わせて実施しているケースを含めると21種類。

米モルガン・スタンレーとクレディ・スイスのアナリスト試算では、新型コロナウイルスのワクチン市場は、年間100億ドルを超える規模。接種1回当たりの想定コストは、20ドル前後で試算される。

コロナウイルス粒子のイラスト。風邪、胃腸炎、SARS（重症急性呼吸器症候群）などの病気の原因となっている。新型コロナウイルスSARS-CoV-2（以前は2019-CoV）は、2019年12月に中国の武漢で出現。このウイルスは、肺炎に発展し、場合によっては致命的となる可能性のある軽度の呼吸器疾患（Covid-19）を引き起こす。コロナウイルスの名前は、宿主細胞に付着して浸透するために使用される表面タンパク質の冠（コロナ）に由来する。細胞内に入ると、ウイルス粒子は細胞の機構を使用してウイルス自身のコピーを増殖する。