技術革新と産業革命の波及

ジョン・ケイ：John Kay（1704-1779）、英国の発明家。1733年、飛び杼（とびひ：flying shuttle）を発明。

ジェームズ・ハーグリーヴス：James Hargreaves（1834-1915）英国の化学者。1764年、ジェニー紡績機：spinning jennyを発明。世界有数の化学企業グループICI（インペリアル・ケミカル・インダストリーズ）の1950年「化学工業の歴史」からの写真

リチャード・アークライト卿：Richard Arkwright（1732-1792）、英国の発明家兼実業家。1769年、水力紡績機：water frameを発明し特許を取得。ノッティンガム（1768）とダービーシャーのクロムフォード（1771）に工場を設立。繊維製造のすべてのプロセスを機械化。これにより、綿花がイングランド北部の主要産業として確立。

サミュエル・クロンプトン：Samuel Crompton（1753-1827）、英国の発明家。織物の町ボルトンの近くのファーウッドで生まれ。1779年、ミュール紡績機：Spinning muleを発明。前例のない細い綿糸生産を実現。機械の秘密を知りたがっている人々に包囲された。特許出願の資金がなかったため、彼は機械を地元の繊維会社に売却した。

エドモンド・カートライト：Edmund Cartwright（1743-1823）、英国の発明家。1785年に力織機：Power loomを発明。

ジェームズ・ワット：James Watt（1736-1819）、スコットランドのエンジニア兼発明家。1765年から1769年にかけて、当時の蒸気機関に多くの実用的な改良を加えた。従来のニューコメン蒸気機関を席巻した。現在でも国際単位系（SI）における仕事率の単位に「ワット」という名称がつけられている。

リチャード・トレビシック：Richard Trevithick（1771-1833）、英国のエンジニア兼発明家。1800年から1815年にかけて、多くの蒸気動力の鉄道機関車を製造。

ジョージ・スチーブンソン：George Stephenson（1781-1848）、英国の土木技師。1814年に蒸気機関車で最初の公共鉄道路線を建設。1825年、ロコモーション号でストックトン・アンド・ダーリントン鉄道：Stockton and Darlington Railwayを公共鉄道として実用化。1830年にはマンチェスター・リバプール間に公共鉄道を拡張。

ロバート・スチーブンソン：Robert Stephenson（1803-1859）、英国の鉄道兼土木技師。ジョージ・スチーブンソンの一人息子。1833年、ロンドン・バーミンガム鉄道の主任技術者就任を皮切りに、1850年までに英国の鉄道システムの3分の1の建設に携わり、ベルギー、ノルウェー、エジプト、フランスなどの鉄道も建設。19世紀の最も偉大なエンジニアと呼ばれる。

ロバート・フルトン：Robert Fulton（1765-1815）、米国のエンジニア。世界初の実用蒸気船を建造。クラーモント号：Clermontでニューヨーク・オルバニー間の旅客輸送を実現。

イーライ・ホイットニー：Eli Whitney（1765-1825）、米国の発明家兼製造業者。マサチューセッツ州ウェストボロ生まれ。1793年、綿繰り機：Cotton ginを発明。綿繊維を種子や種莢から分離し、1日で処理できる綿の量を劇的に増やし、米国の綿花産業に革命をもたらした。また機械に「交換部品」を導入し、19世紀の安価な商品の大量生産を実現した。

トーマス・ニューコメン：Thomas Newcomen（1664-1729）、英国のエンジニア兼バプテスト信徒の説教者。ダートマス生まれ。1712年、大気エンジン：Atmospheric engineを発明

ヨハネス・グーテンベルクによって建てられた最初の印刷機。1442年頃のスクリュープレス。

1659年に出版された最初の子供向け英語版教科書。左列に英語、右列にラテン語が記された。

チェコの教育者コメニウス（1592-1670）が書いた子供向けの教科書で、最初の絵本とされる。初版は1658年にラテン語とドイツ語で、1659年に英語版が出版された。

ヨハネス・グーテンベルクの活字印刷は、ルネッサンス、宗教改革、科学革命の発展において重要な役割を果たし、現代の知識経済と大衆への学習の普及の基盤を築いた。 油性インクと農業用木製スクリュープレスを使用した大量生産するプロセスの発明は、ヨーロッパ中に急速に広まり、世界中で従来の手書き原稿作成方法に、またたく間に取って代わった。

ヨハネス・グーテンベルク。アレンアンドジンター（Allen ＆ Ginter）が19世紀後半に発行したタバコカード（トレーディングカード）

1825年9月27日、英国ストックトンとダーリントンを結んだ鉄道が開通した。

1712年、トーマス・ニューコメンの蒸気エンジン。

1830年、マンチェスター・リバプール間に公共鉄道が開通したマンチェスターは、現在ではメトロリンクと呼ばれるLRT（Light Rail Transit:次世代型路面電車システム）が活躍。ストラスブール(フランス)やフライブルグ(ドイツ)に続く。日本では沖縄県那覇市国際通りでLRTが導入されている。

1712年、トーマス・ニューコメンの炭鉱排水用蒸気機関。蒸気機関の歴史に関するLiebigカード（トレーディングカード）で、19世紀後半から20世紀初頭に発行された。

1807年に航海を始めた、ロバート・フルトンの最初の蒸気船「クレルモン」。

1930年代、ニューカッスルの蒸気機関車工場で生産されたスティーブンソンの蒸気機関車の断面図。

1804年、リチャード・トレビシックの蒸気機関車「ロコモティブ」。短期間だったが、ウェールズ南部で運用された。

トーマス・ニューコメン蒸気機関の概略図。

ジェームス・ワットが、沸騰しているやかんから吹き出す水蒸気の影響を観察している日本の木版画。33.5×23.2cm。

1797年に特許を取得したカートライトのアルコールエンジン。エドモンド・カートライト（1743-1823）は、1785年に布を織るための力織機と、1789年に羊毛の梳毛機の特許を取得。アルコールエンジンは、水蒸気の代わりにアルコール蒸気を使用してピストンを駆動し、ホイールを回転させた。

イーライ・ホイットニーが、1793年に発明した綿繰り機は、世界各地に広がった。画像は19世紀のアメリカ製綿繰り機。

日本のシルク工場の木版画。富岡にある製糸工場で働く女性労働者が描かれている。1875年、歌川国輝作。

日本の発明家兼実業家、豊田佐吉（1867年-1930年）の肖像。豊田式木鉄混製力織機、無停止杼換式自動織機など、100以上の発明特許や実用新案を取得。トヨタグループの創始者。

1880年、キュリー夫妻が発見・公表した圧電効果（ピエゾ効果）は、時計産業を一新し、現在でも多くのデジタル技術に使われている。

トーマス・ニューコメン：Thomas Newcomen（1664-1729）は、1712年、大気エンジン：Atmospheric engineを発明。ピストンとロッドの間で動力を伝達するための「ウォーキングビーム」ピボットアーム（上部）を備えた最初のエンジンで、炭鉱から水を汲み出すために使用された。その後75年間にわたり広く使用された蒸気エンジンの原型となった。