SPECIAL FEATURE
日本独自の文化として世界に知られている「侍」や「武士」。明治維新によって消えてしまった彼らですが、その姿は時代によって様々な意味を持ち、人々の心を動かすものとして多様に表現されてきました。
今回は、ユニフォトのパートナーでもあるボストン美術館が所蔵する刀剣、江戸の庶民に武士の活躍を伝える役割を担った浮世絵、また幕末から明治にかけての日本の風俗を記録に残したイギリスの写真家、フェリーチェ・ベアトの写真をご紹介します。
Category : 歴史
Date : 2021.11.17
武将たちとその運命を共にした日本刀は、武器としてのみならず、信仰の対象や権威の象徴など武将の“魂”を感じさせるものとしての多くの人を惹きつけてきました。
刀の製造に欠かせない玉鋼(たまはがね)は、スタジオジブリの長編アニメーション映画『もののけ姫』(1997)でも描かれた日本古来の製鉄技術「たたら製鉄」でしか作ることができません。技術が発展した現代においても、限られた場所で生産されては刀工のもとに届けられています。
伝統工芸として海外でも評価の高い日本刀ですが、今回は10万点もの日本美術コレクションを誇るボストン美術館が所蔵する刀剣をご紹介します。
もともとは記録画として始まった、武将や合戦を描いた「武者絵」。しかし、歌川国芳や月岡芳年といった浮世絵師たちによる多彩な色使いや大胆な構図によって、様々な表現が生み出され、庶民たちの間で人気を集めていくことになります。
イタリア生まれのイギリスの写真家、フェリーチェ・ベアト(Felice Beato, 1832~1909年)。中東・インド・中国などの写真を撮影し、ヨーロッパや北米の人々にアジアの風俗や、インド大反乱やアロー戦争の悲惨な状況を伝えました。ベアトはその後の1863年、鎖国を終えて間もない日本に来日し、ポートレート、名所、都市の風景など、幕末から明治にかけての日本を写しました。その中には、後に時代と共に終わりを迎える貴重な武士の姿も含まれていました。
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