SPECIAL FEATURE
1876年に開館したボストン美術館は約50万点にも及ぶ作品を収蔵しており、中でも10万点を越える日本美術のコレクションは世界屈指の質と規模を誇る。エドワード・モース、アーネスト・フェノロサ、岡倉天心、ウィリアム・スタージス・ビゲローらにより収集された作品群を核に、100年以上にわたり集められてきたコレクションは、日本の国宝級ともいえる秀逸な作品を多く含む。
伝記教材を学習することは、教材を通して様々な人の生き方にふれることで、人格教育の育成につながるものとして非常に重要とされる。キュレーターの伝記は、作品を「創る(作家)」側からの視点(perspective, viewpoints)ではなく、「魅せる」側からコレクション内容を吟味し、展示作品を精査する観点(prospective)にふれることができる。
※ユニフォトプレスは、ボストン美術館と契約しており、貴重なアーカイブのご提供が可能です。弊社サイトに掲載されていない画像についても、お気軽にお問い合わせください。
明治維新後の文明開化期、国民から日本の伝統美術が軽んじられる中、フェノロサとビゲローらの米国人がこれらを収集し日本美術の保護や発展に貢献した。彼らの収集した美術品は、ボストン美術館へ寄贈された。
ボストン美術館の浮世絵コレクションは、総数6万点を超え、質、量とも世界最大規模。多くは近年までほとんど公開されなかったため、保存状態がきわめて良好で、美しい色彩も美術史上きわめて重要なもの。
「東洋美術の殿堂」と賞賛されるボストン美術館の東洋部は、1890年に日本部として開館され、初代部長にはアーネスト・フェノロサが任命された。その後、諸方面から数々の寄贈が加わり、フェノロサの弟子である岡倉覚三(天心)や富田幸次郎など、美術に造詣の深い人々が何代にもわたって優れた美術品を購入し続けている。
日本美術コレクションには、鎌倉時代から近代にいたるまでの多くの彫刻が網羅され、卓越した仏像、刀剣、刀装具、能面などが収蔵されている。特にウィリアム・スタージス・ビゲローが熱心に収集した刀剣コレクションは、500振りにのぼる。
1962年、ロバート・トリート・ペインが富田幸次郎の後任として東洋部長に就任。ペイン在職中に日本版画のコレクションは、計画的に拡大され、大正時代や現代の版画までを含むに至った。
明治時代に衰退した日本の浮世絵版画は、大正時代に入り新しい浮世絵版画、いわゆる「新版画」が生まれた。これらは海外のアーティスト達にも注目され、ロートレック、モネ、クリムトなどもその作品を収集したといわれ、世界中で日本に対する関心をかきたてた。
ボストン美術館には明治後期から昭和初期の日本の「絵はがき」がコレクションされている。絵はがきは、1870年ころドイツにおいて創案されたとされ、日本では1900年(明治33年)、一般の印刷業者が発行する「私製はがき」が導入されたのをきっかけに、1904年ころ、彩色木版による市販絵はがきが多数発行され流行。絵はがきを通して文化、風景、風俗を伝えた。
伝記教材を学習することは、教材を通して様々な人の生き方にふれることで、人格教育の育成につながるものとして非常に重要とされる。キュレーター(curator)の伝記は、作品を「創る(作家)」側からの視点(perspective, viewpoints)ではなく、「魅せる」側からコレクション内容を吟味し、展示作品を精査する観点(prospective)にふれることができる。
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