SPECIAL FEATURE
日本では、不動産は通常、土地が有限であるため希少性が価値を高め、長期的な資産として時間の経過とともに価値が増加する傾向があると考えられている。しかし、国境線が頻繁に変わる地域や銀行への不信感が根強い国や地域では、不動産よりも動産が安全な資産とみなされる。地政学的要因に加え、国境線が変わると土地や建物の所有権に関する法律が変更される可能性が高く、所有権が認められなかったり没収されることがあるため、不動産はリスクの高い資産とされる。一方で、宝石、貴金属、株式、車などの動産は移動可能な財産であり、一般には不動産に比べて価値が時間とともに減少する傾向がある。しかし、金やダイヤモンドなどの貴金属や宝石は、国際的な市場で高い価値が保たれている。良いもの(玉)と悪いもの(石)が入り混じっている状態を表す四字熟語「玉石混交」の「玉」は貴重で価値の高いものを意味し、「石」は一般的で価値の低いものの象徴として用いられる。宝石にまつわることわざや慣用句も多く、英語圏の「未完成のダイヤモンド(Diamond in the rough)」は、ダイヤモンドが研磨されて初めてその真価を発揮するという特性に基づき、潜在的な価値を持つが磨かれていない人物や物事を指す。また、宝石の輝きが女性の美しさに例えられることが多いフランスの「女性の宝石(Un bijou de femme)」は、美しい女性や魅力的な女性を指す。
Category : 歴史
Date : 2025.01.08
もっと知りたいルネ・ラリック(鈴木潔著/東京美術)
週刊失われたアートvol.2(デアゴスティーニ・ジャパン)
ルネ・ラリック(1860年4月6日 - 1945年5月1日)は、フランスのアール・ヌーヴォーとアール・デコを代表するガラス工芸家、ジュエリーデザイナー。ジュエリーデザイナーとしてキャリアをスタートし、自然界からインスピレーションを得たデザインを多く制作。昆虫や植物、女性像などをモチーフにした繊細で装飾的なジュエリーは、当時の伝統的なスタイルとは一線を画した。その後、ガラス製品の制作に集中し、装飾的なガラス器やボトル、照明器具などを手掛けた。ルネ・ラリックの凄さは、革新性、技術的な卓越性、美学の追求、そして芸術と工芸の融合にある。彼は、単なる職人ではなく、芸術家としての視点でガラスやジュエリーをデザインし、時代を超える作品を生み出した。
美しく装飾されたジュエリーやガラス製品は、単なる日用品ではなく、所有すること自体がステータスや欲望の対象となった。ラリックの顧客は、主に富裕層や王族、貴族であり、特に彼のジュエリーやアート作品は上流階級に支持された。特に特注のジュエリーやガラス作品は、特権階級の間で強い需要があった。
18世紀後半のフランスで起きたスキャンダルで、フランス王妃マリー・アントワネットの名を騙った詐欺事件。この事件は、王妃の評判を大きく損ない、フランス革命への道筋に影響を与えた。
事件の発端は、宝石商シャルル・ボエーマーとポール・バザンジュがルイ15世の愛妾マダム・デュ・バリーのために作った豪華な首飾りを巡るもので、詐欺師のジャンヌ・ド・ラ・モットは、王妃が首飾りを欲しがっていると偽り、枢機卿ルイ・ド・ロアンを騙す計画を立てる。ジャンヌは、マリー・アントワネットの名を使って偽の手紙を送り、ロアン枢機卿を信じ込ませる。さらに、王妃に似せた偽者を使ってロアンとの会見を演出し、首飾りを購入させた。ロアンはこれを王妃の命令だと信じ込み、首飾りを購入しジャンヌに渡したが、彼女はそれを売り払ってしまう。
詐欺が発覚しジャンヌは逮捕され裁判にかけられたが、マリー・アントワネットも間接的にこの事件に巻き込まれ、王妃が全く関与していなかったにもかかわらず、民衆の間で浪費癖や贅沢さに対する批判が高まった。この事件は、王妃が公費を乱用し、国を困窮させているというイメージを強化する結果となり、彼女の評判を著しく損なうこととなった。この事件は王妃の評判を損ない、王政への不信感を増幅させ、フランス革命に繋がる社会的不満や王政批判の高まりを助長した。
ジュエリーは王室の権威と地位を象徴する重要な装飾品であり、時に個人的な欲望を反映させるものでもある。それは国の象徴であり、社会的、政治的な意味を持つアイテムであり、マリー・アントワネット以外にも興味深いエピソードは多く存在する。
宝石には古代から超自然的な力や不思議な現象が関連づけられてきた。中世ヨーロッパでは、ガーネットは怪我や毒から身を守るとされ、戦士たちのお守りとして使われた。現代のスピリチュアルな考え方では、宝石は持つ人のエネルギーを整える役割を果たすとされる。誕生石(バースストーン)は各月に対応する宝石があり、それぞれに特定の意味や象徴が込められている。占星術における宝石は、星座や天体のエネルギーと宝石の象徴的な特性が結びついているという考え方に基づき、そのエネルギーを強化したり調和を促したりするものとして扱われる。
19世紀以降、宝石会社は女性への愛を示すために宝石を贈る文化を広めた。特にデビアス社のダイヤモンドを中心としたキャンペーンでは、ダイヤモンドの「壊れない」「永遠の輝き」という特性が女性の愛や美徳の永続性と重ねられ、贈り手(通常は男性)の経済力を示すと同時に、宝石を贈ることが女性への尊敬と愛情の証と見なされるようになった。
近年では、女性の価値を宝石や物質的なもので測る風潮は批判され、宝石は自己表現や個人的な好みを示すものとしての意味が強まっている。独立した女性が自ら宝石を購入する「セルフジュエリー」文化も広がり、現代では宝石の意味も多様化し、単なるステータスや価値の象徴以上に、個人の美しさや自由を表現する手段へと進化している。
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