Fashion Update

シャルル・フレデリック・ウォルト(Charles Frederick Worth:1825-1895）は、英国人のファッションデザイナー。プリンセスシルエットを生み出し、「動きやすい」服装をもたらした。従来のマネキン人形でなく、生身のモデルを使ったファッションパレード（デフィレス・ドゥ・モード：defiles de mode）の草分け。

1959年、ルイ・フェローに起用された松田和子が、日本人として初めてパリコレクションのモデルとして抜擢。翌1960年には、ピエール・カルダン（一番左）に見出された松本弘子（左から2人目）が、前年の松田和子につづく東洋人2人目のパリコレクションモデルとなった。

日本でパステルカラー（Crisp Colors）が流行ったのは過去3回。第1期は1949年、特需景気の前、第2期は1962年、オリンピック景気の前、第3期は1985年、バブルの前。荻原博子氏の「景気と色の関係」によれば、景気が良くなる前に必ずパステルカラーの服が流行。理由は「派手な色の服を買う（飽きやすい）＝経済的なゆとりが必要」、つまりパステルカラーの服はゆとりの象徴という。

米国の化学者、ウォレス・ヒューム・カロザース（1896-1937）は、デュポン社在籍中にナイロン66を発明。1940年5月、全米で初めてナイロンストッキングが発売された。日本では1940年に東洋レーヨン（現・東レ）の星野孝平らによりアミラン（ナイロン6）が発明された。ナイロン66は絹のようで、ナイロン6は木綿に例えられる。

ジャカード織機は1801年、フランスの発明家ジョゼフ・マリー・ジャカール（Joseph Marie Jacquard：1752-1834）によって発明された自動織機。パンチカードの1列の穴が横糸と経糸1本に対応し、複雑な模様の生地の大量生産を可能とした。ファッション業界で重要な役割を果たした。また、近代のIBMコンピュータの開発に貢献することになる。

ファッション雑誌「VOGUE」米国版1940年4月1日号の表紙。ファッション雑誌が発信する情報は、読者が自分のファッションのよりどころにしてきた。最近ではSNSがファッション情報の公開と収集に大きく影響し、「フォトジェニックでインスタ映え」するファッショントレンドは、新たな地位を確立しつつある。

新型コロナウイルスの感染拡大は、さまざまな変化をもたらし、パリ・クチュール・ウィークは、パリコレ史上初のオンライン開催となり、多くのブランドが無観客のショーを動画で配信した。また街中では感染対策用のマスクを、コーディネートの一部に取り入れる動きも見られた。

斬新なデザインのファッションで知られる英国のファッションデザイナー、ビビアン・ウエストウッド（Vivienne Westwood：右から2人目）は、ベルリン芸術大学でファッションの教鞭をとり、英国でブティック「レット・イット・ロック」を立ち上げ、パンク・ロックバンド、セックス・ピストルズをプロデュース。パンク・ファッション、パンク・ロックは、英国の若者に一大ブームを巻き起こした。

2014年度の綿糸生産量は約5,000万トンで、中国が72.3％を占める。2016年度の化学繊維生産量は約6,500万トンで、中国が68.9％を占める。

イタリアを代表するファッションブランドの「ドルチェ＆ガッパーナ」は、イタリア人デザイナーのドメニコ・ドルチェ（Domenico Dolce）とステファノ・ガッバーナ（Stefano Gabbana）によって創立された。イタリアのミラノに本拠地を構える。

フランスのファッションデザイナー「アニエス・ベー（agnes b.）」。本名は、アニエス・トゥルブレ（Agnes Trouble）。

シャネル（Chanel）のファッションブランドを興したココ・シャネル（Coco Chanel：1883-1971）の出生名は、ガブリエル・ボヌール・シャネル（Gabrielle Bonheur Chanel）。

フランスのファッションデザイナー、ポール・ポワレ（Paul Poiret：1879-1944）は、コルセットを取り除くなど、ファッション・クチュール（洋裁）近代化のパイオニアで、オートクチュールの巨匠。ポワレの貢献は、ファッション界のピカソと例えられた。

ジバンシィ (GIVENCHY) は、ユベール・ド・ジバンシィ（Hubert de Givenchy：1927-2018）が1952年に設立したフランスのファッションブランド。

ジャンヌ・ランバン（Jeanne Lanvin：1867-1946）は、フランスのファッションデザイナー。服飾と香水のメーカー「ランバン（LANVIN）」を1889年に創設。2018年2月に中国企業の復星国際が買収した。

エルメス社の母体になったのは、ティエリー・エルメス（Thierry Hermes, 1801-1878）が1837年、現在のパリ9区にあたるバス＝デュ＝ルンパール通り (Rue Basse-du-Rempart) に開いた馬具工房。ナポレオン3世やロシア皇帝などを顧客に発展した。

2020年9月、リアルランウェイショーとオンライン配信を併催した「2021年春夏パリ・ファッション・ウイーク」では、リアルショーとデジタル要素を織り交ぜての発表、短くても5分以上の動画配信、世界観の打ち出しが有効で、SNSインフルエンサーのリモート参加の効果が大きいことがわかった。

2021年春夏パリ・オートクチュールコレクションは、コロナ禍でオンラインだけでの開催となった中、フェンディ（FENDI）は、新ディレクターのキム・ジョーンズ（Kim Jones）が就任後初となるコレクションを披露。英作家バージニア・ウルフ（Virginia Woolf）の世界観をテーマにしたショーには、スーパーモデルのケイト・モス（Kate Moss）やナオミ・キャンベル（Naomi Campbell）、ベラ・ハディッド（Bella Hadid）らが参加した。

十二単（じゅうにひとえ）は、平安時代の公家女性の正装で、現代へと引き継がれてきた。季節ごとに色の組み合わせが異なり、四季の移ろいを表現しているという。着物の総重量は20kgに達するものもあるという。

江戸中期以降、庶民の外出機会が増え、外行き着（訪問着）が流行の先端を走り、ニューモードを作り出すが、絹物が多く利用されたため、江戸幕府は再三にわたり倹約を主旨とするおふれが出された。

七五三（しちごさん）は、子どもの成長を祝う行事。5歳の男子、3歳と7歳の女子が宮参りする習慣は関東地方に多く、氏神に参拝する時には、宮参り衣（みやまいりご）を着せる

鎌倉時代前より、高貴な身分の女性が外出する際には、頭の上から身体をすっぽりと覆う被衣（かづき）と呼ばれる薄い衣を被っていた。江戸以降は、被衣に代わるものとして、真綿で作った帽子が若い女性に広まった。現代における綿帽子は、袷仕立ての白絹の布で作ったもの。

1920～1940年の椿柄で装飾された友禅染の女性用の羽織。明治以降、男性の礼装に羽織袴（はおりはかま）があるが、羽織はもともと防寒着として用いられた。武士でも羽織は平常服で、婦人の羽織は普段着だったが、大正以降、丈の長い羽織がよそ行き着となった。カーディガン（cardigan）は、1853年からのクリミア戦争で負傷した英国陸軍のカーディガン伯爵７世が、セーターを前あきにしてボタンでとめられるようにし、軍服の上に重ね着したのが始まりで、ボレロは、スペインの民俗舞踏曲「ボレロ」の踊り子が着用していた上着に由来。闘牛士が着ている上着は典型的なボレロ。

浴衣（ゆかた）は、もともとは蒸し風呂用の入浴着だったが、簡易さと涼しさから夏の普段着として普及。寝巻としても使われるようになった。本来は人前に着てでる物ではなかったが、不相応ともいえる立派な帯をつけることで、外出着としても使われるようになり、古くから藍一色染だったものが、色染めのカラフルなものに変遷した。温泉宿などでは、現在でも藍一色染の浴衣を見ることができる。