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髭の歴史

近年再び髭のファッションが人気となっています。男性の髭の有無やスタイルは長い歴史の中で繰り返されてきました。今回は、西洋を中心とする「ヒゲ」の歴史を紹介します。

Category : 歴史

Date : 2017.04.05

参考文献

  • Allan Peterkin, One Thousand Beards. 2001, Arsenal Pulp Press
  • Wikipedia Beard

先史時代~中世

先史時代では、寒さからの保護や戦いの際に肌を守る目的のため髭は残されました。また多くの文明では、髭は神性や権威を表すとも信じられ、髭を蓄えた古代の王様や権力者達の肖像がたびたび描かれています。古代エジプトでは、特に位の高い者たちは衛生面から体毛を剃り落とす事が多かったのですが、その代わりにファラオ達は男女かかわらず金属製の髭飾りをつけたという記録が残っています。

16世紀~近代

髭の有無やスタイルは時代とともに繰り返されました。16世紀のヨーロッパでは全体に生やした髭が流行しましたが、17世紀になると髭は整えられた小さなスタイルとなり、18世紀ロココ時代にはきれいに剃り上げられた顔が好まれました。

19世紀になると再び髭の時代の到来です。特にイギリスのヴィクトリア朝時代の男性たちは時には奇抜とも言える大小さまざまな髭を生やし、念入りに髭の手入れをしました。文明開化を迎えた明治時代の日本の男性たちも欧米のスタイルを見習い、男性は散切り頭に髭を生やしました。

20世紀~

20世紀になると、髭の人気は下り坂となります。20世紀初頭の安全剃刀の普及も髭の無いスタイルの流行に一役買いました。また、コミュニストのリーダー達が髭を生やし、反体制であるヒッピーの若者達が髭を生やしたため、50年代から60年代には欧米の政治リーダーやメインストリームの文化からは一段と髭が消えていったとも考えられています。

近年では、ボヘミアン的生活の流行などもあり、髭はクールな男性像のひとつとして再びトレンドとなっています。

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